三陸特産
新巻鮭



三陸の「新巻鮭」は、普通の新巻鮭とは製法が違います。
普通の新巻鮭は、「箱冷」といい、生鮭に「塩を絡む」で、箱に並べ冷凍庫へ入れるだけすが、
三陸では「塩で漬け込む」で、更に「乾燥」させるのです。
北海道にも漬け込みはあります。「山漬け」という製法ですが、やはり三陸の新巻とは異なります。

一口に「新巻鮭」といっても、かなりの手数をかけているのです。
ここでは、「新巻鮭」が出来るまでの過程を、簡単にご説明いたします。


まずは新巻にする鮭ですが、
「魚屋たっちゃん」では銀毛のオス鮭のみで作ります。
ひと昔は「新巻鮭」は保存食でした。
塩をふんだんに使い、カラカラに干したものでした。
家の軒下にぶら下げ、春先まで吊るしてる所もあったくらいです。
その為、脂の多い銀毛鮭は敬遠され(脂が酸化してしまうため)脂がないブナ毛の鮭を使いました。

近年、減塩志向で塩辛い物が好まれなくなり、また冷蔵庫の普及で保存が容易になり、ブナ毛の鮭より、脂があり美味しい、銀毛の鮭を使うようになりました。


     さあ、いよいよ「新巻鮭」作りです。
この漬け込みは11月6日にしたものです。
まず、エラからとりますが、鮭の口を大きく開けます。
次に、エラぶたを持ち上げ、片手でエラを掴みます。
刃先の細い刃物で、下あごのエラのつけ根を切り離します。
そのまま、エラの外周の薄い膜がカマにつながっている部分を、エラぶたに沿って切り離していきます。
上あごまで切り離したら、あとはエラを掴んでいた手で、エラを引っ張ります。
すると、この通りきれいにエラが取れます。
始めからうまくは取れませんよ。(笑)
次に、腹ワタを取ります。
腹は下から(肛門)刃先を入れます。
頭にむかい、曲がらないように切ります。
カマの内側に、腹ワタがつながっている薄い膜を切ります。
(ここで、膜をしっかり切り離さないと、下のようにきれいに腹ワタは取れませんよ。)
後は、腹ワタを尾に向かい引きながら取ります。
(腹ワタがグロテスクなので、マスク処理しました。)
次に、背骨に添って付いている血ワタを取ります。
まず、薄い膜を切ります。
そして、血ワタをかき出します。
水洗いをすれば、ハイこの通りエラ・腹共にきれいになりました。
これで塩漬け前の処理が終わりました。
さあ、いよいよ塩漬けです。
塩は尾の方から頭に向けて、すり込みます。
体に塩をしたら、次に目にも塩を入れます。
目に塩をしないと、干したときに目が腐ってしまうからです。
ですから目にはたっぷり塩を詰め込みます。
鮭を返し、同じように身と目に塩をします。
最後に、腹に塩を入れます。
塩をした鮭は樽(タンク)にきれいに並べていきます。
この日11月6日は80尾漬けました。
これにフタをし、さらに重しを載せます。
この状態で10日〜15日間漬けます。
その間一度、手返し(上と下を入れ替る)します。

さあ、漬け込みはこれで終りです。
次は樽上げと塩抜きです。


  漬け込みから10日経ちました。「樽あげ」です。
重しを載せ10日、塩漬けされた鮭は身が硬くなっています。
樽上げされた鮭は、漬け込み樽の倍の大きさの樽に移し、大量の流水で塩抜きをします。
塩抜きの時間は、塩漬け時の塩の量と漬けた期間・重しのあるなしにより異なります。
長年の経験で換算します。
塩抜き後、1本1本丁寧に洗います。
口から綱を入れ、エラぶたから鮭の頭後方に綱をかけます。
鮭を吊るし、腹が開くよう木を挟み、天日で乾燥させます。